◆ 精鋭俳句叢書serie de la fleur
序文・高橋悦男 栞・片山由美子
はくれんの祈りの天にとどきけり
ことばはあくまで易しく、しかし、発想は独自で鋭く繊細である。しかも、言葉に汚れがなく、透明で清純である。(序・高橋悦男)
飛び越せぬ川のありけり鳥雲に
菜の花や明日を明るき日と思ふ
ソーダ水楽しき刻を飲み干して
いちまいの水となりゆく薄氷
踏青や背に透明な羽根生えて
銀漢や一生分といふ逢瀬
引く波は見えず十一月の海
星涼し夜空に沖のあるやうな
いくたびも白きもの翔つ冬の海
白鳥に似てセーターの厚き胸