ニコライは一途で健気でとてつもないリクへの執着と偏愛があって、彼の目と足を不自由にしたいきさつ以降、特に前半の終わり〜後半の頭にかけては、悪魔と魂の契約でもしたかのような彼の気質を感じ、少しだけぞっとしました。リクへの愛ゆえ、我が子であって
もリクを譲らないとか。でもそんな伴侶だからリクはいつも幸せで、ポーリャも両親の愛を肌で感じられるのでしょう。リクが不憫でした。女帝への恐怖心がとけ、ニコライへの命令としてしか彼への愛を表すことができなかった恋情ーー素直に出せるようになり、伴侶によく似た容貌の可愛い息子をもうけて、やっと幸せになれたこと、本当によかったです。作者さまはロシア(ヨーロッパ)のお話を多く書かれると思って拝読してますが、評論を書かれるほどご存知とは思いませんでした。架空とは言えロシアにいる気分になれます。舞台が18世紀とありましたが、フランス・アメリカ革命が出てくると言うことは19世紀に入っているのかなと、リクとニコライ、ポーリャの愛溢れる夏季休暇の風景を想像しました。ポーリャの弟・妹も一緒に。
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