最初の数ページで「こ、これは般若心経とか唱えて精神統一しないと、読み進めるのが困難なアホな子目線の小説では?」と気付き、とにかく限界がくるところまでは読もうとがんばりました。15歳ですと!?それでなんでこんな頭がお花畑みたいな言葉で埋め尽く
されるの・・とずーっとツッコミを入れながら読んでいたんですが、なんかどんどん読める、いやむしろやめられない。そして後半から始まる攻めのカイの視点に転じると、落ち着いた文体になり、またアホな子文体になり、カイ視点、侍女視点・・と、とにかくお菓子で言うところの「甘いしょっぱい甘いしょっぱい」のループに組み込まれ、全くやめどころがありません。終わる頃には、「もう終わっちゃうの?」と、当初、全部読むのは無理とか思っていたことも忘れ、がっかりしました。カイとロティの10歳の歳の差がまたおいしいところで、いろいろのシチュ(特にエチ)でその年の差が生きています。10歳年上で立場も上のカイが、ロティに対して最後まで敬語ってのも、なんておいしいんだ。そしてアホな子と思っていたロティを最後には魅力的だと感じるこの不思議。
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