「好きな人の役に立ちたい―二度と会えなくても」極貧の底で震えていた紫音は、裕福な男爵家の次男、重巳に拾われ、何不自由なく育てられる。やがて紫音は重巳に寵愛されるようになるが、窮地に陥った重巳を救おうと無邪気な嘘をついた結果、離ればなれになってしまう。二度と会えないはずだった二人だが、六年後、思わぬ場所で再び巡りあう。かつての嘘の罰のように荒々しく奪われ囚われた紫音は、変貌した重巳の態度を哀しむが、愛しさは募って…。心が凍った貴公子×淫らで純粋な高級男娼。届かなくても貫き通す、一途で無垢な恋心の行方は。