このレビューはネタバレを含みます▼
『ファイナル・ツイスト』は、コルター・ショウという放浪型ヒーローの物語を、家族史と復讐譚としてきれいに収束させたシリーズの要石
父の死と兄の正体が結びつくことで、これまで技巧として配置されてきた伏線が感情の重みを帯び、ディーヴァーらしい知略が初めてカタルシスへと転化する
一方『ハンティング・タイム』は、その重荷を降ろしたショウを再び自由なフィールドへ解き放ち、追う者・追われる者の立場を幾重にも反転させる純度の高い追跡劇
宣伝文句の過剰さが期待値を歪める面はあるものの、構図の反転と人物造形の厚みは、なおページを繰る手を止めさせない
静と動、家族の物語と職業的スリラー――その振り幅こそが本シリーズの持ち味であり、ディーヴァーが今なお第一線に立ち続ける理由でもある
技巧に身を委ねるか、物語に感情を預けるか‥読者の立ち位置によって評価が揺れる点も含めて読み応えのあるシリーズ作品