ヒロインが生死を分けるような大きな刀傷を負う場面の文章が、緊迫感のある、そして想像しやすい、簡潔な短い文章の連続で、読み応えがあり、引き込まれました。
その後のヒロインの実家が経済的にひっ迫したことも納得のある文章でした。
私は、王政が
破綻しかけるようなクーデターがあったり、どこかにいるご落胤が正統後継者として現れたりの波乱万丈物語も好きですが、でもそこにはいつも無理やり感を持ち、なかなかその波乱に納得できるような小説は少ないと思っています。
なので、この作者さんのような、そのような必然性に乏しいクライマックスなどに頼らない、人の心根を表現している作品のファイになっています。
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