日本の雇用問題

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

経済の高度成長から低成長への急転換にともなって，雇用問題は深刻化の一途を辿っている．本書は，オイル・ショック以後の雇用・失業問題の特徴をふまえつつ，日本型雇用慣行，高齢者の雇用問題などを追跡し，現代雇用問題の性格を明らかにする．
目次
はじめに――課題と方法
　一　課題／二　方法／三　構成
第一章　石油ショック後の雇用と失業
Ⅰ　石油ショック後の雇用失業
　一　スタグフレーション下の失業問題／二　完全失業一〇〇万人の裏面／三　企業内雇用調整のメカニズム／四　雇用調整をめぐる政策課題
Ⅱ　雇用調整下の婦人雇用
　一　雇用調整のなかの婦人雇用／二　不就業者とその失業状況／三　就業者と労働条件の低下／四　家計への不況の影響
Ⅲ　〝安定成長〟化と雇用・失業動向
　一　景気回復とその不確実さ／二　労働力需給と就業・失業の動向／三　産業別就業構造の変貌
第二章　日本型雇用慣行と雇用調整
Ⅰ　ポスト高成長期の雇用問題
　一　〝減速経済〟期の雇用決定要因／二　〝過剰雇用〟と雇用慣行へのインパクト／三　〝終身雇用〟 の形態と実体／四　反合理化運動の論理と倫理
Ⅱ　大企業の雇用調整行動
　一　雇用調整行動とその要因／二　産業別雇用調整のメカニズム／三　大企業の雇用調整要因
Ⅲ　低成長への転換と雇用調整
　一　低成長化と雇用調整の問題点／二　大企業と中小企業の雇用調整／三　大企業の減量経営化と雇用調整
第三章　高齢者の雇用問題
Ｉ　高齢者の継続雇用問題
　一　高齢化状況と政策課題／二　高齢者の継続雇用状況／三　超企業型雇用・生活保障の要請
Ⅱ　定年退職者の職業・生活変動
　一　定年到達直後の状況／二　定年到達後の職業志向・準備／三　継続雇用と再就職の実態／四　就職満足感と生活要因の変化／五　不況の影響と引退志向の状況
Ⅲ　高齢者雇用と職業政策
　一　高齢者雇用と労働市場要因／二　高齢者職業能力の実像／三　定年退職者の職業能力と定年後への準備
第四章　公共雇用政策の課題
Ⅰ　雇用保険法への転換
　一　石油ショック時の雇用政策状況／二　失業保険制度研究会の報告／三　雇用保険法案の改定点／四　雇用保険法案の問題点
Ⅱ　雇用・失業保障の政策課題
　一　倒産の増大と賃金支払い確保法／二　産業転換と不況業種離職者法／三　高齢者雇用と企業内雇用率規制／四　労働時間の短縮と雇用問題／五　雇用保障の量と質――内と外
Ⅲ　失業予防型雇用政策の課題（一―四　略）
おわりに――総括と展望（一―三　略）
あとがき

9784130020008