文学とは行間を読むことに醍醐味があります。
映像化した作品の脚本家さん等々、その想像力の素晴らしさが、原作を読むことでわかります。
最近はオーディオブックも隆盛してきましたが、
原作を活字で読むことで、自分なりの解釈ができ唯一のものになりま
す。そしてそれは誰にも奪われないです。
本作品のタイトル『砂の器』は、本編に一度たりとも登場しませんが、リエ子の書き残しに「指の間から砂がこぼれ落ちるような虚しさ」という一節があります。この長編のストーリーから省みると、実にに感慨深くこのタイトルを付けた作者の想いを想像します。
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