ただ、コメディ寄りな割には設定が複雑。いわゆるコントなどもそうだけど、本当に笑えるコメディというのは設定などがすんなり入ってくるシンプルなものである。かといって、正統派の英雄譚とするならば世界観に関する練り込みが足りないと思う。当たり前みた
いに、魔王、冒険者ギルド、国と出てくるが、背景とか成り立ちを考えないと機能とか権限がわけわからなくなる。冒険者ギルドが当たり前のように国をまたいでいるけれど。人気の出ている英雄譚はそれらの背景までちゃんと作り込んでいて説得力があるものがほとんどである。あと、幻想的ファンタジーだと性欲表現はあまりないので、幻想的か現実的かという点も定まっていない感もある。
という、中途半端さが若干あるが、読めるし、それなりに面白い作品ではある。また、文章や話の流れはうまい作品だと思う。
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