ERR_MNG
漫画(まんが)・電子書籍ならコミックシーモア!
コミックシーモアをご利用の際はWebブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてください。
→設定方法はこちら
コミックシーモアをご利用の際はWebブラウザの設定でCookieを有効にしてください。
シーモアを楽しもう!
もっと見る
総合ランキング
全書籍から探す
1,800pt/1,980円(税込)
会員登録限定70%OFFクーポンで お得に読める!
会員登録して70%OFFで購入
お気に入りに追加
小説・実用書
ランキング
最新刊を見る
新刊自動購入
「蒸気機関車は六輛ほどの車輌を率いながら走っている。僕とすすむさんは最後尾の客車のデッキに立ちながら、木製の扉の前に身を寄せていた。通勤の大人たち数人がやはりデッキに立っていて、新聞を読んだり、タバコの煙を吐きだしたりしている。/誰も口をきかず、列車の揺れに身を任せていた。」昭和27年春、札幌の中学に通うため汽車に乗った二人の少年は、30年余を経たのちに再会します。ひとりは気鋭のノンフィクション作家になり、ひとりは学生運動の闘士から経済学者、さらには保守的思想家へと転じていました。再会してから30年、突然の別れがやってきます。すすむさん=Nが自裁したのです。「斎場の隅にいる私たちのところに近づいてきたのは、Nの兄のMさんであった。/ああそういえばもう六十年以上も会っていない。しかしその面差しは依然として柔らかく、そして人を包みこむようであった。外套を脱ぐなり、握手を求めてきて、私の顔を見るなりその穏和な顔に涙が流れるのを隠そうとしなかった。私も涙が止まらなくなった。/「十三歳のときからの友だちだったんだからね……」/Mさんの言葉に、私のなかで耐えていたものが一気に爆発した。/私は人目も憚らず涙を流しつづけた。そして二人でふたたび棺に近づき、蓋を開けてもらい、その顔を見つめつづけた。いっしょに見ていると、表情は動き出しそうで、目を細めて口を尖らせて、吃音気味に話すあのころに戻ったように感じられた。私はMさんと札幌の、白石と厚別の思い出話を、Nに聞こえるように、なんどもくりかえすように話しつづけた。私はNが亡くなったとの報に接してから初めて、悲嘆という感情に触れた。」あのときのすすむさん=Nの眼に映じていたものはなんだったのか……。不意にいくつかの光景がきれぎれに甦り、その呟きを心耳にふたたび聞いた著者はさながら廻廊を経めぐるように思いを深め、60年の歳月を往還しながら友の内実に触れるべく筆を進めていくのです
9784065306932
レビュー募集中!
レビュー投稿で最大1000pt!
1位
私が見た未来 完全版
2位
拝啓見知らぬ旦那様、離婚していただきます
3位
だって望まれない番ですから
4位
総長さま、溺愛中につき。
5位
「こわいもの係」シリーズ
6位
【合本版】「こわいもの係」シリーズ
7位
怪盗クイーン
8位
三河雑兵心得
9位
国宝
10位
八咫烏シリーズ
11位
「宮廷神官物語」シリーズ【合本版】
12位
ぼんくら陰陽師の鬼嫁
13位
わたしの幸せな結婚
14位
裏世界ピクニック
15位
クロエとオオエ
16位
色と光マスターガイド イラスト上達のための理論と実践
17位
マンガ家と作るBLポーズ集 ラブシーンデッサン集
18位
新版生パスタの技術
19位
藍を継ぐ海
20位
警察怪談 報告書に載らなかった怖い話
小説・実用書 > 小説・実用書
小説・実用書 > 保阪正康
小説・実用書 > 講談社