母を病で失ったバレ伯爵家の長女、エミリエンヌは伯爵家で孤立していた。
冷たい家族に余所余所しい使用人、そして遠い異国の地にいる婚約者。いっそ修道院へ入ろうかと考えていたところに、婚約者であるベルナールの帰国を知る。
近いうちに会いに行くとのメッセージを受けとったエミリエンヌ。
だが、彼に一目惚れした異母妹から婚約者の座を譲るよう迫られ、もう期待したくないと父に判断を委ねてしまう。
一方、バレ家でエミリエンヌを孤立させようとする義母に怪しまれないよう、義務的な婚約者を演じていたベルナールは、ようやく妻として迎え入れられると楽しみにしていた。
しかし、そんな中もたらされたのは婚約の破談とエミリエンヌが修道院へ入るとの噂で……!?