距離感が掴めない作品です。
基本的には主人公目線で進んで、過去の回想は客観の目線で進んでいきます。
普通、主観で進行するときは物語への没入感を味わえるわけですが、この作品ではあまり没入感がありません。
主観で進む映画を見ているような感
じです。
とはいえ、全く没入できないわけではなく、ところどころで没入できます。
反対に、客観で進んでいくときに、客観でありながらも物語への没入感が楽しめます。
客観で語っているはずなのに、その場に自分がいるかのような進行です。
ということで、作品に対しての距離感がぐちゃぐちゃです。
ジェットコースターな感じなんですかね、これはこれでなかなかに楽しかったです。
物語としては、なかなかに重たい話になっています。
かなりきつい内容なので、心臓の弱い人は読まない方がいいと思います。
重たい話でありながら、別にすっきりするわけでもないという、終始下腹部が痛みます。
すっきりとした場面がないのはわざとなんだろうな、という展開をしていますので、すっと入ってくる人にはすっと入ってきて楽しめると思います。
ご都合主義で解決する物語は好きではありませんが、解決しないのも、これはこれであまり好きではありませんでした。
以上のように、感情がかなりかき混ぜられる作品となっています。
内容は、なんというか、可もなく不可もなくっていう感じでした。
ありきたりではないけれども特殊ではないかなって感じです。
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