本を取り出すと音もなくひらく本棚や、奇怪な像に隠れたレバーを引くと現れる秘密の部屋――だれもが夢見たそんな仕掛けを得意とする〈秘密の階段建築社〉。元イリュージョニストのテンペストがこの家業で働きはじめて数カ月がたった。建築社の最新の仕事は、カフェ経営者の自宅の地下室に読書コーナーや主宰する読書会のスペースを作ること。そして今宵、そのスペースで、種も仕掛けもある訳ありの降霊会がひらかれる。だが不気味な光が点滅するなか、8人が囲むテーブルの中央に死体が忽然と現れて――。『壁から死体?』に続くシリーズ第2弾。/解説=若林踏