ロシアによるウクライナ侵攻を契機に、世界経済におけるサプライチェーンは見直しを迫られることとなった。東アジアに位置する日本は、自国経済が長い低迷を脱しつつある状況で、今後このリスクとどう向き合っていくべきかを国内経済の視点から考察する。
【主要目次】
序章 「高まる地政学的リスクと日本経済」(福田慎一)
第1部 リスクの時代の企業経営
第1章「日本のサプライチェーン危機――新陳代謝不足と企業改革の方向性」(中村純一)
第2章「変革期の労働分配率――賃金と物価の好循環は何をもたらすのか」(肥後雅博)
第2部 リスクを内包する金融機関
第3章「銀行中心型システムの将来――日本社会の特性にあわせた金融改革」(随清遠)
第4章「金利上昇と流動性依存――SVB破綻から学ぶ金融緩和政策出口への備え」(長田健)
第3部 リスクと向き合う経済政策
第5章「財政の持続可能性――開放経済モデルによるグローバル分析」(山田潤司)
第6章「植田総裁の下での金融政策の新たな船出――自然言語処理は何を教えてくれたか」(慶田昌之)
第7章「基軸通貨と世界経済の構造変化――高まる地政学リスクとドル一極集中の行方」(丸尾優士)
終章「新冷戦時代における日本経済の課題」(福田慎一)