王国の第二王子アンリには、生まれつき精霊が見える。だがそのせいで気味悪がられ、血の繋がった親にすら不要とされて、孤独な日々を過ごしていた。そんなある日、自分と同じく精霊が見える狼獣人の少年テオフィルが親に虐待される場面に出くわしてしまう。思わず身を挺して彼を庇うアンリ。その現場にはもう一人、テオフィルを救おうとする者がいた。それは少年の親類にあたる辺境伯グウェナエル。なんと彼は、アンリと結婚するので跡継ぎとしてテオフィルを引き取ると言い出したのだ。アンリとグウェナエルは初対面。親に疎まれる子供を救うための方便……のはずが、グウェナエルは本気でアンリに結婚を申し込み――!? ※電子版は単行本をもとに編集しています。