「今日も……中、僕のでいっぱいに、しよ……?」
雨切しいらは自死を選んだ――はずが、気がつくとそこは異世界だった。
「夜毎に英雄の慰み者になるだけでいい」「断れば放逐」そんな脅迫めいた頼みをヤケクソで受け入れ聖女となったしいらは、その晩、竜とも大蛇ともつかない巨躯の怪物と相対する。
それこそが救国の英雄ナシラ・アルシャフト――本来の姿は彫刻のように美しく、子どものように無垢な心を持つ青年だった。
当初は身体だけの関係だったが、二人は少しずつ歩み寄り心も通わせていく。
しかし、ナシラの過去には哀しい秘密が隠されていて……
「僕がしーらの、希望になるよ」その怪物が愛を知る時、世界の命運が動き出す――!