公爵令嬢リリネリア・ブライシフィックは死んだ。否、殺された。王太子レジナルドの婚約者として蝶よ花よと育てられた彼女は絶望を知り、貴族令嬢としての全てを失った。名をエリザベートと変え市井に下りた彼女は、今日も淡々と息をする。生家から付けられた侍女ガーネリアと共に薬屋を営み、ただ自らの終わりの日を待つ。この人生にはもはや夢も希望もなにもない――はずだった。元婚約者と再会するまでは。エリザベート――リリネリアに執着するレジナルドに対峙する中で、彼女の心の内に新たな感情が芽生える。それは、闇に葬られた真実を炙り出し――? とある令嬢の死から始まる衝撃ファンタジー! ※電子版は単行本をもとに編集しています