片田舎の小役人イームウはある日、小さな池から金魚を掬いあげた。すると不思議なことにその金魚は赤ん坊の姿になり、現われた仙女から「この子は金魚の化身、子宝を授ける力があります。大切に育てなさい」と告げられる。こうしてイームウの子となった金魚の化身・ルオリンは二十歳になったある日、家に訪れた商人とともに都へ行くことに。そしてまた別な商人に連れられ向かった先は宮廷。どうやら自分は、子宝を授ける力があるからと皇帝に献上されるらしいと知ったルオリンだったが、身分怪しき者として門前払いされてしまう。だがもう家へ戻る手立てもない。ルオリンはその場に居合わせた皇弟シユに「なんでもするから宮廷に置いてほしい」と懇願し、やっとのことで宮殿の池で飼われている金魚の世話係の仕事を得ることができた。初めはルオリンを疑い厳しい目を向けていたシユだが、金魚に話しかけては熱心に世話をやくその姿に少しずつ愛着を覚えるようになって…。