カナリアは届かぬ愛を今日も歌う。愛する男性の子供を抱いて。
カフェを出たキャサリンは我が目を疑った。ルカ! 3年前、1カ月だけつき合ったイタリア富豪がなぜここに?純潔を捧げ、愛の告白をした私を、彼はあざわらって去っていった。おびえたキャサリンはベビーカーを押し、早足で歩き出した。だがルカがベビーカーの前へまわり、中をのぞきこんだ。とうとう知られてしまった。私が彼の子を産んで育てていることを。妊娠を知らせなかった彼女にルカは激怒し、親権を要求してきた。さらには、子供と一緒に彼の家で暮らすようにとも。私の愛を踏みにじったルカのもとへ戻るなんてありえない。けれど選択の余地はなく、キャサリンは涙を流しながら要求をのんだ。
■子供の存在を知られ、かつて自分を廃人同然の状態に追いやったヒーローとふたたびかかわることになったヒロイン。生活をともにするうち、彼がかかえる暗く大きな秘密を知ることになり……。感動的な作風で大人気、C・コネリーのシークレットベビー物語です。