「あぁ、堪らない……この日をずっと夢見ていた」ある罪で侯爵家を追われ、魔法で姿を変え平民として生きる元令嬢・シルヴィーナ。静かな日々に舞い込んだのは、かつての婚約者・王子レイファリオにかけられた“死の呪い”を解く依頼だった。幼い頃から傍にいて未来を夢見たはずなのに、触れ合うことは許されない。それでも彼の命を救おうと奮闘し、なんとか解呪に成功する。目を覚ましかけた彼に別れを告げ、シルヴィーナはその場を去った。しかし――「やっと……見つけたぞ」それまでの平凡な日常に割り込んで、迫りくる視線。鋭く熱を帯びたその瞳に、彼女の心臓はどくんと跳ねた。レイファリオの目は、確かに“誰か”を探している――まるで獲物を狙うかのように。