ごくフツーの人たちの暮らしや悩み、
気になる行動を片っ端から調査した--。
本書は、
1998年創刊の月刊誌『裏モノJAPAN』に掲載され、
読者から大好評を博したルポルタージュ22本を掲載した1冊である。
深夜の公園に一人佇む人に心情を吐露してもらったり、
街で会話を盗み聞きしたり、高齢者に人生最大の後悔を語ってもらったり、
バラックが立ち並ぶ街の住民と酒を飲んだり。
取材の目的は、
市井の人々に対する純粋で下世話な好奇心を満たすことだ。
普通なら誰も気にしない、でも実はその背景にあるかもしれない様々な
人生ドラマを知りたいという欲望である。
それは、なぜあなたはあなたであるかのかという問いかけと言ってもいい。
余計なお世話であることは重々承知のうえだ。
困惑、迷惑がられたことも少なくない。
ただ、ナマで見聞きしたからこそわかる、ごく普通の人々の暮らしや本音。
取材を通してぼんやり見えてきたのは、この世はろくでもない、
されど限りなく自由な空間であるという事実だ。
■目次
●第1章 されど私の人生
・今まで生きてきて一番後悔していることは何ですか
・あなたがホームレスになった直接の原因を教えてください
・我が人生暗転のきっかけ
●第2章 ディープな街と濃い住民
・大阪で一番オモロいおっさんは誰だ?
・不良連中に「あの先輩はヤバいっすよ」と言われてる先輩は、実際どれくらいヤバいのか
・都心の限界団地「戸山ハウス」を歩く
・川崎・池上町のバラック街と、周辺の人々を訪ねる
●第3章 耳をすませば
・街で見つけた気になる2人の会話を盗み聞く
・地域を代表するバカ高校ではどんな会話がなされているのか 首都圏編
・地域を代表するバカ高校ではどんな会話がなされているのか 関西編
・新宿歌舞伎町「ルノアール」の客はどんな話をしているのか
●第4章 夜に一人で
・夜の公園に一人佇む男は何か悩みを抱えているのか
・深夜のファミレスの“ぼっち女性”に今の悩みを聞かせてもらった
・こんな夜遅く、どうして川面も眺めているんですか?
・深夜のゲーセン客、それぞれの孤独
●第5章 それぞれの立場、それぞれの言い分
・境界線のあっちとこっちに横たわる内なる差別意識を調査する
・東京駅発の下り東海道新幹線、品川駅で降りる人たちのナゾ
・呪いの絵馬を書いた方に、その真意を問う
・呪いの絵馬を書かれた側の言い分を聞きに行く
・コロナ感染の全盛期、昼カラの高齢者が熱唱するのは命より大切な歌に違いない
・あなたがサラ金でカネを借りるワケ、聞いてもいいですか?
・明日、世界が終わるなら何をしますか?
■著者鉄人社編集部