暖簾の向こうで、心濡れる、大人の恋が始まる。
神保町の裏路地にある、小さな小料理屋。
そこを切り盛りするのは、常に穏やかな微笑みを浮かべる、四十代の美人女将。
数年前に夫を亡くした彼女が、店を閉めた後にだけ見せる秘密があった。
それは、亡き夫の思い出と共にくゆらせる一本の煙草。
彼女に淡い憧れを抱く常連の青年は、その姿に胸を締め付けられ、禁煙を勧める。
それが、二人の関係を変える夜の始まりだった。
「坊や、煙草をやめろって言うなら、その代わりに私の口さみしさを解消してくれる?」
年上の女性が仕掛ける、甘く危険な挑発。
青年の一途な想いは、彼女の孤独な心を温めることができるのか。
切なさとぬくもりが交差する、濃密な一夜を描いた大人のラブストーリー。
煙草は体に悪い。
──けれど、やめられない人たちがいる。
そして「禁煙」をきっかけに、思いもよらぬ“ご褒美”が始まってしまう。
禁煙を口実に心の隙間を埋めようとするヒロインたちと主人公が織りなす、甘酸っぱいショートラブコメディです。
※アンフィニノベルズエピソードは1話完結の短編ライトノベルレーベル。通勤時間などちょっとした時間に読めるライトノベルをお届けします。