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ジャーナリスト、マルクスは非西欧をどのようにみていたか。非西欧の理解が、これからの世界秩序を知るためのカギとなる!「序文」より 本書は、『マルクスで読み解く世界史』の第2弾です。前著は、2022年に刊行されたのですが、おもにマルクスとアジア、第一インターナショナル、植民地、南北戦争、ナポレオン3世、マルクスの時代の日本を取り扱っていました。 本書は、マルクスと非西欧に焦点を当て、マルクスとスラブ、マルクス主義と中国、日本、そしてアジア的生産様式、マルクス主義とラテンアメリカを取り扱います。もちろん、問題の中心は、非西欧とマルクスとの関係です。 マルクスの思想は、彼が生まれた西欧社会ではなく、むしろ非西欧社会で好んで取り入れられました。マルクスがもともと意図していた地域と違って、資本主義が未発展の地域で流布していきます。もちろん、マルクスも、なぜ『資本論』が西欧ではなく、ロシアで売れているのかという点に興味をもっていました。 だからこそ、あれほど憎しみを抱いていたロシアに対して、『資本論』執筆以後大きく考えが変化し、ロシアのナロードニキ主義者の研究に関心をもっていきます。ロシアの思想家、チェルヌイシェフスキーやフレロフスキーなどを読むためにロシア語を学び、ロシアのミール共同体に関心をもち、やがては非西欧の共同体に関心をもちます。 マルクスは、共同体をアジア的、ローマ的、そしてゲルマン的と分け、最後のゲルマン的共同体の崩壊が私的所有を生み出し、そこから資本主義が発展するという見解をとっていました。『資本論』を書き上げたときまでこうした歴史的発展に関しては、確信をもっていたものと思われます。しかし、決定的に変わるのが、『資本論』のロシア語訳の登場、そして翻訳したロシアのナロードニキとの接触でした。こうしてマルクスは、『資本論』の予定した続刊の仕上げよりも、非西欧の共同体の問題、そして非西欧的資本主義の発展の問題に関心をもちはじめます。 その後書かれるノートの多くが、この問題に割かれます。 資本主義発展は、西欧を範として、一直線上に歴史は発展していくという考えに、大きな疑問を抱き始めたからです。こうして自らが提起した史的唯物論というドグマに疑問をもつことになります。歴史は一つの普遍史として、あたかも機械のようにそこに当てはめていけば、世界の歴史的発展はただちに解けるといったような単純なドグマに疑義を感じたからです。 それは、マルクス自身の長い歴史的研究過程の結果から生まれた疑問だったのです。マルクスが調べたのは、主としてイギリスや西欧、西欧以外については類推はできても、確信をもって語ることができない。せいぜいフランスやドイツについてでした。しかし、それ以外の非西欧についてはあまり研究しておらず、確信をもって語ることができなかったのです。(後略)
9784866241227
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