虚飾の平穏を脱ぎ捨て、背徳の熱に溺れる。
「日常の衣は脱がぬまま、密かな情熱のみを掬(すく)い取る――。」
23歳の量販店員・昭子と、48歳のサラリーマン・関本。日々を機械的に消費し、社会の歯車として磨り減る二人が、雨の軒下で指先を重ねたとき、静かな日常は猛毒を孕んだ背徳の輪舞へと変貌します。
自分を繋ぎ止めるための「武装」として美しく装う昭子と、家庭という名の「檻」で窒息しかけていた関本の執着。正反対の地平にいた孤独な魂が、名前も知らない「共犯者」として結ばれたとき、加速する密会はやがて理性を麻痺させていきます。
その嘘が暴かれ、聖域が現実の泥に塗(まみ)れるとき、彼らが手にするのは再生か、それとも破滅か。
湿った雨の匂いと、指先に残る消えない熱。
乾ききった現代人の魂を揺さぶる、究極のエロティック・エイジレスロマン。