王国随一の商会の長女・アウレリアは財政難に陥った家のために、王国を古くから支えてきた伯爵家の次男・コンラートと政略結婚することに。離縁が決定している白い結婚であったが、ある日過労で倒れたコンラートを助けたことをきっかけに、彼の書類仕事を手伝うようになるアウレリア。ともに働くうちに、惹かれてはいけないとわかりながらも、優しい彼に心を奪われていく。そんなある夜、寝室から響いたガラスの割れる音に駆けつけると、そこには酒にひどく酔ったコンラートの姿があった。「貴女を、手放したくない……」切実な言葉のまま、一夜をともにするふたり。しかし約束通り離縁の日は訪れる。「必ず迎えに行く」――そう誓ったコンラートのもとへ届いたのは、アウレリアの乗った馬車が事故に遭ったという報せで……。