やー夢心地で読みました。HQですからね、こうでなくちゃ。愛あればなんだって乗り越える、この力強さ。ヒロインのたくましさ!
彼を助けるときのヒロインのかっこよさ。絶対に死なせたくない気持ちが本当に素晴らしかったし、その力は、これまでの彼
女の人生を肯定するものであるだけに、読んでいて、無一文となろうともしっかりと生きてきた姿勢がよく出ていて、感動しました。
ここが好きなので書いておきます。「エヴァン、私もよ。あなたになにがあろうと あなたがどんなになろうと あなたがあなたである限り(愛しているわ)」
ジャンルがヒストリカルものなため、華やかな貴族社会や、社交界デビューなど、麗しい上流社会描写もさしはさみながらの、愛情深く強い精神力をもつ女性エミリーの波乱の愛の物語。
時代からいって女一匹生きるのは大変だったとき、ギリギリとはいえ職業を軌道に乗せてしっかりと自活していたエミリー。その時期に出会った二人。深く愛し合った二人が、間に立ちはだかる、もの・人・出来事を乗り越え結ばれる。
そこまで好きな人となかなか巡り会うものではないし、ましてや、結ばれるなど、この世のいくつもない奇跡でしかないことを、HQ世界では究極の理想の愛の形としてここで見せよう、といわんばかりに提示。
幸福にたどり着くまでに二人が乗り越えた試練は、大河ドラマ並みにスケールがありますが、物語進行と共に、最初は冷たく思えた家族も人の子なのだという要素も消化、盛り沢山の試練が終息する頃は二人の蕀の環境(家族や友人)が居心地よく変化して、安心して本を閉じることができます。
遅れて届いた手紙のところも揺さぶられました。彼の本心を、彼が死を覚悟した状況で知らされるわけですが、それでも婚約者のいる彼は名乗ってきてのことじゃない。エミリーには差出人を認識できる。
HQって、他の一般コミックより、遥かに子持ちの再婚に夢を持たせてくれる方面のストックが豊富でそこもいいところなんですよね。
結婚に失敗したとか、死別したとか、そういうところも含んだ再婚ややり直しジャンルの開拓が、HQ以外だと余りに進んでなさすぎて、ここでこれほどきらびやかにやってくれるとスカッとします。
星合男子好きの私は、前編のほうが、そっちの魅力、つまり、男性の美しさが発揮されてる、とは思いましたけど。
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