執事たちの沈黙 12

面白すぎて既刊11巻一気読みしてしまいました。
桜田さん作品は独特の個性が強すぎて苦手だったのですが
この作品は分かりやすいギャグ要素のラブコメで、読んでいて楽しくて癖になります。

和己がめっちゃイケメン＆クズなのに、世話焼きで結局ワガママお嬢のこと毎回甘やかしている、様々なギャップが魅力的すぎます。クソ魔女さんことお母様の言う通りズルい男です(笑)

和己がイケメンすぎるのに対して、ヒロインの椿はおバカすぎるのでそれほど魅力を感じないと言いたいところですが、この漫画は和己(男性)目線で進む物語なので、上手い具合にお嬢様も魅力的に見えるんですよね〜。
こんな真っ直ぐこられたら、そりゃ可愛いよね！とかって、お嬢様に対する和己の気持ちにも共感できてしまいます。

これがお嬢様目線の物語だったら、読むほどに自己中だな〜うざいな〜和己よくこんな子好きになってくれたな〜と思ってるでしょうね。
視点を変えるだけでこんなに面白いんだなと、普段男性目線は苦手な私でしたが、和己のその時その時の考えが見えるから楽しいです。

ギャンブルが趣味だし、女遊び好きすぎでマジでクズだなこの男と思うのに、家事を完璧にこなす執事で、実は会社でも社長秘書だったり会社仕事もできるらしいっていう落差の激しいギャップが尽きません。

とくに執事モードの敬語と素の汚い言葉使いのギャップが、バレてからは破壊力抜群です。
今まで敬語だったのにここでタメ口か！と思ってキュンとしてしまうこと多々。なんというズルい使い分け(笑)
全くもって素直じゃないところも可愛いです。

お嬢様に振り回されて怒ってばっかのくせに、結局心配ばっかしてるし、距離を置こうとしてたくせに、可愛いこと言われたら自分からキスしちゃったり(笑)
主従・年の差・片想い拗らせカップル！
あんな幼少期から傍にいたのに急に恋愛対象ってのも凄いなと思いますけど(笑)

今でも凄く面白いですが、やはりバレる前の二重生活が面白すぎました。

ブラックだなんだと言いつつ雇用主(椿父)とも仲良いし、椿とわりと平気で恋愛しちゃってますよね〜。
各キャラみんな楽しそうです。
和己の私生活の姿は、執事をやっていく上で絶対秘密かと思いきや、お嬢様以外には意外とオープンに知れ渡ってるじゃないですか(笑)
椿の両親との身内感漂う関係や空気も面白くて好きです。もう家族になればええやん(笑)

大好きな作品の中の1つです。和巳のあの目が大好きです。大好きな作品の中でも一番かもしれません。それほど好きな作品ですし桜田雛先生も大好きな作家さんです。クズといわれてる(設定？！)の執事の和巳ですが椿の両親(二人ともCEO)と同じ東京大学卒ですし、椿には身元はあかしていませんが大企業和巳グループの次男坊です。椿も通っているお嬢様学校でも校内一名高いお嬢様といわれる存在ですが、まだ椿自身は知りませんが和巳は椿の経営する父親よりも、うんと大きな企業の跡取りなので、執事とお嬢様との結婚が難しいというのはクリアできるんじゃないかな、と思いますし、椿を溺愛するモンペの椿パパのハードルもいうほど高くはないように思います。読んでいて楽しいので桜田雛先生にとっては一番長い連載で9巻目ですが、まだまだ連載続く事を願うばかりです。椿パパも相当なイケメンで美しいです。背が高い和巳よりもパパの方が高いんですよね。余談ですが、和泉かねよし先生の『女王の花』の薄星に椿の光一パパがそっくりで…、悲恋で終わった悲しい物語だったので(『女王の花』全15巻、14巻目の内容は涙です)、個人的には椿パパを見ていると薄星に会えているような気持ちになり救われるし本当に嬉しいです。