初読み作家さんのデビュー作との事です。
元サラリーマンの幽霊 西之×トラウマ持ちの大学生 颯大のお話。ある日颯大の前に幽霊が現れる。颯大にだけ姿が見え声も聞こえ、料理や掃除まで出来るこの幽霊西之と同居する事に。
颯大は中学生の時
に誘拐され男達に犯されそうになった過去があり、そのトラウマを今も引きずる。事件は結構重い内容で辛い、でもそんな子どもを置いて両親海外赴任とかちょっと乱暴な設定だったかな。
そんな颯大に優しく言葉を掛けトラウマを一つずつ上書きしてあげる西之が、飄々としているのでストーリーも暗くならず読みやすい。
人に触られる事は怖い事ではないとわかり、ずっと誰かに言って欲しかった言葉を西之から貰え救われた想いの颯大。そのすぐ後にお茶を淹れると言ったまま姿を消した西之。成仏したのか…
西之の幽霊のオチは最初の頃に読めていたけど、何故颯大にひたすら優しく接するのか意図がわからなかった。なるほど…西之に取っても気掛かりで上書きしたい過去だったのね。ラストにホッとした〜
この二人これからも一緒に支え合って行けそうな明るいラストで良いお話でした。
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