私が本当に愛しているのは“夫”ではありません……
私は幼い頃に父を亡くし、母に女手ひとつで育てられた。母は再婚するチャンスだってあったはずなのに、それこそ靴がボロボロになるほど働いて私を大学にまでいれさせてくれた。本当に心から感謝している。
そんな母は「いつまでもフリーターやってないで、早く結婚して安心させてよネ!」と皮肉まじりに、私に言う――。
結婚――。
付き合っている彼は、もちろん好きだし、プロポーズもされている。
私…、本当にこの人でいいの? この男性が私の運命の人なの…?
流されるように彼のお父様に挨拶に行くことになった。
そう、そこで私たちは出会ってしまったの――。
まさに魂を抜かれるような衝撃…! 私は一瞬で彼の父親に魅せられてしまった!
私が本当に求めていたのは、彼のお父様だったんだ!!
神様――。これは罪なのですか?
血が繋がっているわけでもない男と女が、ただ純粋に求め合うことが……。
ほんの少し、出会った時が遅かっただけなのに――。