どの家の者か、が大きい要素の話で嫌悪の感情の強い間柄の二人が、愛を交わせるようになるプロセスを読者は目撃する、という形式である。
この話2冊バラバラに読んだが、1巻目ではどう結末に向かうか全く希望のない状態であるため、私は、続きを知り
たい読者の気を持たせるために2巻目の存在があるかのようにも思えていたのが、読んだ直後の印象だったものである。
しかし、これを書いている今、同一原作者デボラ・シモンズ氏の似た趣向の「魔性の花嫁」を読み終えたばかりである。コミカライズに当たったのも同じ日高七緒先生。
そして思うことは、こうした二人が、このように険悪な関係から愛し合うまでの経緯を見届けるスタイルの、二人の間にある溝への理解は、紙輻をタップリ取らないと味わえないものなのだな、という理解である。
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