両者の穿ったベクトルのキシム音がコダマする。人は常に正しくあるわけではないが、正しくあろうと努力はするものだ。冒頭からルールの甘いマスクに微笑みが、ものすごーく意味深長でイヤーな雰囲気を漂わせているのに、シドニーの凛としたキャリア風味をもっ
た姿に それを忘れた。表題さえ失念し スムーズに進展していく2人の間を眺めているだけの状態が ふと手を止めたのがP46のルールの告白場面。ああそうだった、と物語の問題提起はまだされていなかったと気付かされた。ヒロインの背景については布石がされていたから順当な展開を頭の中で作り上げてしまっていた。物語はここから、降ってくる 問題 の噴石が 2人の価値観や環境という大きな渦の中で 避けきれない状況を作り出している。信じて許すという愛の強さを見せてくれる物語だった。しかし、大公の子供の出自に対して国民が好意的というのも出来すぎ感は否めない。ハピエンは2人だけでなく家族にも与えられていた。ルールの両親の大恋愛でも物語が出来そうで、興味を持つところです。だって、子供9人ですよー(笑)
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