やられたことをいつまでも覚えてるような自分の性格上、胡桃を主人公にする時の爽子ちやんのありようが、読み始める迄現実的に思えなかった。でも本編で既に爽子と胡桃はこの番外編の展開に連なる流れはあったので、漫画なのだし、と思ってはいる。
実際素
直になれない、自分を塔の上に高い塀も作るようなこと、読んでいて納得できるし、特にグイッと来られる時のリアクション、本当によく理解できる。その辺の心の揺れやドギマギの赤面など、可愛いとさえ思うようになって我ながらいつの間にか親近感を。本編のほうでは最後の方には目指すもので近づいていく二人に、読み手の私はなんでたやすく親しくなってる!?っていう感じにまだ蟠っていたから、彼女主人公なことを心底で歓迎してた訳じゃぁない。でも、「君に届け」自体、私は、風早の率直さも勿論いいけど吉田達との交流の方に大きな魅力を感じていた作品だったから、それ(女ともだちの熱い関わり方)が読めるなら読んでもいいかな、と手に取ったところがある。
でも、番外編の枠に留まらず想定外に育った妹作品に見えてしまう本作は、意外に小気味よいスピードと、少女漫画の良質な思春期仕様の薫風を感じる。
大学生になったからって急に大人の恋愛をするわけではない(大人の恋愛をする人も勿論大勢居るけど)。恋愛経験値高くなく大学デビューして、なんとなく1年生なんてすぐ過ぎた、というケースも多いものだ。そこへ突如出現されれば真意を測りかねること、容易に共感できる。その辺が実によく描けてると感じる。
まだ全巻読了してないから先の感想はこのままかどうかわからない。
なお、CRAZY FOR YOUファンは本作にはいろいろな想いがあるようだ。未読の私は、彼の過去は梅と一緒で見えない。だから、梅ちゃんの疑心暗鬼や自分でコントロール出来ない心情変化を追体験的に味わっており、展開楽しみなところはある。
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