城の中、何もない部屋で一生を過ごす聖女レアは、ひそかに外の世界に憧れていた。
今日は年に一度の祭典「月の降りた日」。開幕式を待っていたレアの身体は、気づいたときには…男になっていた!?
何者かの陰謀で浮浪者キリアンと魂の入れ替わってしまったレアは、キリアンとして学校ギナジウムに入学することになる。
「金」の王侯貴族、「白」の商人、そして「赤」の庶民。レアの渡されたチケットは…赤。
自由に学問を受けられるはずの学校を縛り付ける「暗黙の了解」
どうして自由に選択してはならないの…?
「お前は間違っていない」
そう言ってレアを守ってくれた公爵の息子エリアス。
初めてできた友達、自由な時間、眩しい太陽の下で過ごす日々。それはまさに、聖女レアの憧れていた世界でもあった。
レアは元の身体に戻れるのか?
そして謎多き男キリアンとはいったい何者か…