あれは少し前の春の日だった
成績優秀で人当たりもいい「いい子」の黒沢。クラスの問題児である松岡は、黒沢のことが嫌いだった。誰からも好かれる黒沢に嫉妬していた。
ところがある日、松岡は黒沢が小鳥を殺している場面を目撃する
「僕さ、いつも思うんだ。人を殺したら本当に楽しいのかなって。だから…」
助けてほしい
僕が人を殺したくなったら止めてほしい
お願いを断った松岡に、再び黒沢は頼み込む
友達になってほしい。学校に来て挨拶するような。親友になりたい。
黒沢の本当の顔を知り、彼の孤独を知った松岡は、いらだち、妬み、共感し、黒沢に殺される夢を見る。そして…
「おはよう」
雪の日の朝だった
身を守るため、父に従わざるをえない松岡
「悪いこと」に快感を覚えてしまう黒沢
孤独に閉じこもるふたり
「いい子」に縛られるふたり