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楽園レーベルでのいつもの感じの6冊目短編集。エッセイ風のイラスト付き文章ものもあり。
『筑波山観光不案内』が5話構成になっており、なまじ実在の地名が出ているだけに、空想と現実の境がどこにあるのか混乱して面白かったです。乗
り物のデザインがいちいち良かった。巨大切符との友情(?)や、ガマの油や工場やら、近いけど知らなかった場所での大冒険。
以下、好きな話の感想。
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・『ツチノコ発見せり』(20p)ツチノコブーム世代ではないのですが、ドラえもんのツチノコ話が好きなのでとてもロマンを感じます。懸賞金目当てで捕まえたツチノコ、しかし本物のツチノコと証明できなければ懸賞金は貰えない。研究の日々、そこにはいつも隣にツチノコが居た……ほのぼのでとても良かった。
・『そこに坂があるから』(14p)坂の頂上を目指す話。子供の頃、限られた時間や自分の力の中で、こういう終着点を探す小冒険って楽しかったな。坂を後ろ向きに登るのも懐かしい。
・『カステラ風蒸しケーキ物語』(9p)想像上のものかと思いきや実在のお菓子でした。作者さんのフィルターを通して物語に出力されたこのお菓子はやたらと美味しそうで、食べてみたくてジタバタしちゃう。
・『新しい土地』(24p)郵便配達の話。配達にはロマンがある。地図を頼りに家を探すのって、細かい番地地図がないと案外難しい。電柱の番地を辿るのもなかなか楽しいものだけど、その先にこの話みたいに地図にない町が広がってたらさぞかし楽しかろうなぁ。
・『おむすびの転がる町』(21p)物の転がる軌道を追う話。転がる経路を考えるのって、ピタゴラ装置感があって楽しい。
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