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今月(5月1日~5月31日)
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シーモア島
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投稿レビュー
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introduction- 春田作品集 -【特典ペーパー/電子書籍限定マンガ付】
『ルミノグラフ』が一番良かった



2026年4月29日342ページ。
な〜んとなく空気感に魅力を感じる作者さん。
たぶんあんまり作者さんとは趣味が合ってない気がするんですけど、なんかすごくいいなってなる時があります。
〜〜〜〜〜
・『気まぐれと甘噛み』(4話)
編集者とモデル。ふとしたきっかけで気になってしまって近付いていく感じは良かったです。
しかし……この歳の差と立場の差がある設定だと、私的倫理観に抵触してあかんかった。エロが……エロさえ無ければ……!
巻末には描き下ろしもあります。
・『横顔と爪あと』
上記作のおまけ漫画。スピンオフが始まる気配w
・『いちについて』
DK。陸上部の二人、じりじりと相手の様子を窺いながらのじれったさにニヨつく。じゃんけん好きなので、じゃんけん加算で星4つ。
巻末に電子特典1ページ漫画も。
・『夜とうらはら』
クリーニング屋店員と常連客。このひと、わるいひとです!w
・『ルミノグラフ』(前後編)
大学生同士、写真を通じての心の交流。言葉少ななシーン、視線がふっと絡み合う感じが良かったです。ぶつかるんじゃなくて、ふらっと絡むの。星4つ。
・『フォーカスシフト』
上記作のおまけ漫画。なかなか苦労しそうw
・『アンダー・ザ・フロア』
彼女と親友に裏切られた主人公。彼女と親友の二人が最悪なのはもちろん、つらい主人公に声をかけてきた男もまたなかなか悪いタイプの男で……スマホに着信したメッセージがまたこれ酷くて、もうホント酷いな!星4つ。
・『昼下がり憂鬱デリバリー』
宅配便男子コメディー。こんな配達員はイヤだw フツウのラブは行方不明、作者さんのフェチ的ラブだけでできている気がするw
・『咲き待ちの梅と読みかけの本』
いちおう時代もの。書生と小説家のほのぼの話。どういう経緯で書生になったのかがわからないのが、二人の関係性が見えにくくてもったいなかったように思います。
巻末に初回特典1ページ漫画も。 -
星評価は『橋の下の超人』に




2026年4月26日5月12日まで、各巻70pt。
『カプセル篇』132ページ、『錠剤篇』152ページ。
短編集……と言うよりは、単行本にならなかった連載作などを集めたもの。
『カプセル篇』収録の『メッチェンファウスト』は特に、ダークなヒーローものとしてこれから面白くなりそうなのに、謎の開示の前に連載が途切れた感じで、ちょっともったいない。
『毒入り』と銘打たれているだけあって、かなりユーモアがブラック。それがまあ著者らしくもあるんだけども、いささかパロディ系の毒分量が多すぎるかな。
また、『錠剤篇』収録の『重箱の隅』は、まとめて読むにはちょっとツラい、エンタメ度が低い毒吐きエッセイ漫画。言わんとすることはわかることも多い、けれども同意しかねることも多い、という感じ。
そんな中、最もバランスが良かったのが、『錠剤篇』収録の『橋の下の超人』(前後篇)。あさりよしとおという人は、ひねくれ者であれもダメこれもダメって斜に構えて否定してくるところもあるけど、夢や希望を美しいものだと認識している(たぶん)ところが良いよなって思っています。これが星4つ。 -
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アク強な学園ものって好き




2026年4月24日かなり迷惑なタイプの湯神君ですが、周辺キャラも大概のアクの強さなので、「変わり者が一方的に責められる」みたいな構図になっていないのが良いところ。
そして、周りは振り回されてしまいがちなんですが、考えてみると「あれっ……?湯神はそんなに悪くないよな……?」みたいになるのがリアル。そう、決して「悪」じゃないんだよ……だからこそこのやり場のない怒りがこう……というw
アク強キャラに、野球、日常、落語が入り乱れ、色恋の少ない学校モノの楽しさが満喫できる良作。キレイに完結してるし、おすすめできます。
なのに星の数が4なのは、湯神君の思考回路が自分にとって身近すぎたからです。
湯神君への周囲の反応に、ギクっとすることが多いんですよね。ヤバい、自分も人からこう思われてそう……みたいな危機感が。ちょっと落ち着かなくって、作品を楽しむことに全振りできなかったという、完全な個人的都合です。 -
羽柴………羽柴ああぁ〜〜〜〜!!!(涙)




2026年4月24日……と、羽柴君に感情移入しすぎて途中で読むのが止まっています。
不幸体質男子と世話焼き女子、メインカップルはかわいらしく良い子達で、応援の気持ち。
矢野君の眼帯が心配だったけど(病気かなとか毒親にやられてないかとか)、あれはもうキャラデザの都合上で外されることが無いのね、と理解してからはのほほんと読めるようになりました。
……しかし、ポジションとしては当て馬の位置に投入されたキャラ・羽柴がですね……その報われないほのかな恋心やら親切で良いヤツやら、もういちいち私の情緒を掻き乱すんですよ……羽柴……おまっ……羽柴あぁぁ〜〜〜!オマエ良いヤツだなあぁぁぁ〜〜〜!!!(号泣)
ちょっともう、ほのぼのメインカップルの様子を眺めているところに、羽柴へのなんとも言えない気持ちがすごい勢いで刺さってくるので、その温度差でへろへろになってしまって離脱。
作品としては明るくかわいくなかなか良いです。
……温度差に耐えられる人には、ぜひ羽柴の様子を見てほしい……良いヤツ……なん…です…よ(バタリ) -
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ライトにザマァを摂取したい時に




2026年4月3日無料読みになっていた3巻まで読みました。
1冊あたり90ページ弱で描き下ろしなども無い、分冊よりはちょっとお得なまとめ買いっていう位置付けになる、合冊版仕様。
実話系のスカッと漫画風フィクションで、きづきあきら風味は弱め、サクサク読めます。読み放題対象だったらどんどん読んじゃう感じ……だけど対象じゃないから対象になってたらいいのにな!
特につながりの無いそれぞれの夫婦の連作、3巻までには『season4』まで収録されてます。
『1』はモラハラ上司夫へのザマァ、『2』はクズ夫と寝取り後輩女へのザマァ、『3』は男女の別を履き違えた男尊女卑義実家へのザマァ……と、サクサク進みます。いずれも「この後が地獄ですよね……(ニヤニヤ)」といった感じの終わり方。
『4』は束縛夫とその毒母の話で、ちょっと終わり方が違いました。
ライトにザマァ成分を摂取したい時にいかがでしょうか。 -
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執着としての「愛」




2026年3月20日32ページ。
実兄弟もの好きなので購入。
弟が、この兄のもとに弟として生まれてしまったこと、ただその一点がはじまり。
性格とか裏付けエピソードとかそういうのがあるわけじゃない、ただその一点でガチっととらわれた、純然たる執着。
相手がどうとかは関係ない、一人だけの世界をその執着が支えている。純度の高さが静かな狂気に達していて、耳鳴りがするような雰囲気が良かったです。
親の描写やなんかの背景描写がもう少しあっても良かった気もするし、背景が少ないからこそ「執着」の純度が上がって見えている気もするし、判断には悩むところです。セリフでの説明が多いのも個人的には通常マイナスポイントですが、今作ではそれが世界の狭さを強調できている気もする。けど、自分にとって「もう一歩足りない」感じがするのは確か……でも読んで良かったなと思える、なかなか趣味に合う、胸のざわつく作品でした。
定価が300ptなので、短篇としては割高ではありますね。 -
同じ釜の飯を食うってどこか特別




2026年3月20日165ページ。
基本、食漫画は読みませんが、森世作品なので読みました。
素直な気持ちで読めば、ほわっとやさしく、やっぱ誰かと一緒の食事ってあったかいよな、という気分になれる作品です。
ただ、近年の食漫画における「食べてる時の顔に色気エッセンスを混ぜる」傾向は苦手なため、今作も少なめながらも振りかけられてるその香料に、それはゼロにしちゃってもいいのにな〜とは思います。
BL作家さんが描く一般作は、BL的匂わせが鼻につく場合もありますが、これはそのあたりが匂ってこないのが良い。仲がいいと言えるのか微妙な感じの、腐れ縁系の組み合わせ。
……いつもの森世作品に慣れ親しんでいると、いつどこから切れ味のいいナイフ展開が来るかドキドキしながら読んでしまうので、一読目は余計な疲労感がありましたw いやだってほら、親がどんなんなんだかとかグルっとひっくり返されたりとか心情に突き刺さるなんかとかさぁ〜〜〜わかってくれるよね森世Lovers??
そんな感じなので個人的な物足りなさはあります(だから星の数が増えない)が、じわっと良いなと思える森世的雰囲気はちゃんとありました。
あと、主人公が左利きなのがなんか好きです。作中でそれに関して全く言及されていないのもなんか好きです。 -
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聞き語りの魅力がよく表れていた




2026年3月13日189ページ。
人から聞いた昔語りをさらさらとした筆致で漫画にした作品集。10篇入り。
少しゾッとしたり、少し不思議だったり、えもいわれぬ感傷があったり、すとんと腑に落ちる感覚があって良かったです。
作者さんの夫から聞いたという話が一番良く、これは描く側と語る側の距離の近しさが影響しているかもしれないなと思いました。話の最後のことばが、なんとも切なくこちらに迫る。
……しかし、夢のない感想で申し訳ないんですが、最初に収録されてる『浜辺のはなし』……あれ、無事だったから良かったものの、か〜なりヤバい話じゃないですか?娘持ちからすると恐怖。引越し……もしかしたら偶然ではなくて、親御さんが娘を守るためにがんばったのかも知れぬ、と思ってしまうレベルに怖い。 -
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控えめさがある、野花の雰囲気な模様編手法




2026年3月6日131ページ。
120種の模様編みの中には、メリヤス、ガーター、ゴム編みなどの基礎編み地も含まれています。
掲載模様は、だんだん「ひと模様あたりの段数」が増えていく順に掲載されていて、私は便利でいいと思います。
リバーシブルで使えるよ、という模様には、裏面の写真もあるのが助かります……いっそ全種類裏面写真があっても良かった気はします。
模様を実際に使用しての作品も数点掲載されています。
透かしや多色やアランの模様集はいろいろありますが、この「表編みと裏編み」だけでできる、ガーンジー模様みたいな手法のものというのは珍しいのではないでしょうか。私は「ニッタオル」を編むという目的でこの模様編み集を手に入れました。透かしが無く、かさばりすぎない、棒針の模様編み……向いてると思うんですよね。
他の手法の模様に比べると、ちょっと地味な感じですが、そのさりげなさ控えめさに野の花の美しさがある。
編み物好き仲間のあなた、妄想のお供にいかがですか。 -
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ダークサイドな家政婦もの、頑張れクロミ




2026年2月20日2巻既読。
凄腕家政婦がご家庭の問題をズバッと解決!……きづきあきら風味で。
解決……?ある意味解決……うん、解決だよね。
毒をもって毒を制する、登場人物は全員メンタル病んでる……それでも、社会システムではどうにもできないような問題をこういう形で解決するというのは、悪いことばかりではなく確かに救われる人間も存在するんじゃないか。この作者さんは、そこらへんのさじ加減のバランスが好みです。そして、「毒になりたくてなったわけではない」といううら淋しさも魅力。
また、ゆるやかな連作形式をとっており、第一のご家庭の話は2巻分。
はたしてクロミは「理想の家族」を手に入れることができるのか?
次はあなたのご家庭に行くかもしれません……(おどろおどろしいBGM) -
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恋愛とは、人と真摯に向き合うことだ




2026年2月13日3巻で完結だけど真のエンディングを見るために皆のチカラを貸してくれ!
恋愛ものではあるけれど、理屈屋の私にも心から応援できる珍しい恋愛マンガ。とにかく真摯!無駄にすれ違わない!かわいい!そしてもうほんとにとにかく真摯(2度目)!!
人と向き合う、人に恋する、それってこういうことなんだ。そう思わせてくれる、非常に真面目で地に足の付いた恋愛もの。「真面目」は褒め言葉です!「真面目」が「つまらない」とか皮肉な意味で使われる風潮が微妙に不愉快だと思っているそこのアナタ、真の意味で褒めに値する真面目さがここにあります。
主役二人、どちらも相手を思いやれて優しく、年相応に空回ったりテンパったりしつつも一所懸命に日々を過ごしてる。恋愛だけじゃない、すべてのことにおいて一所懸命で、めっちゃほほえましい。めっちゃ良い子。「良い子」も褒め言葉です。
この作者さん、育児漫画を発表しており、SNSで発信していたのをリアルタイムで見ていました。そこから伺える「他人に対する姿勢」がとても好印象で、我が子を「自分とは違う一人の人間」として対峙している、そういう他者への好ましい姿勢がこの作品には非常によく表れていると思います。
また、主役女子の名前が「真珠(まじゅ)」というのもすごく好きです。
海の宝石である真珠は、時間をかけて小さな核に真珠層を重ねてできあがっていくもの……人生はそうありたい。天然のバロックパールのように、それぞれ違う形で、美しいものを重ねて、時には傷もくるみこんで、そうして育てていきたいものです。
3巻でキリの良いところまで描かれており、完結はしています。
ただ、作者さんはもう少し先まで描くつもりで構想をしており、各話プロットも出来ているそう。
その「真のエンディング」が見たい!
ダラダラ続く心配も無い、あとは描くだけ段階の真のエンディングを見るために、まずは少しでも広めるためにレビューです。
編集部への要望は既に出しました。お気に召したらあなたもぜひ要望を出してください。
『エスパー魔美』のあの二人に並ぶ、「この二人ゼッタイに一生うまく行くわ」という気分になる安心安定感のあるカップリング、バレンタインデーに是非どうぞ! -
ラストだけ苦手だけど、好きな話




2026年2月13日低学年の時の国語の教科書に載っていました。
寒い冬のあたたかい話で、ほのぼのとやさしい気持ちになります。
子狐の差し出すおててに「ヤダ〜、キュート〜〜〜!」ってなります。手袋をはめた姿のかわいさも想像して悶えますね!
ひねくれ者なので、ラストの母狐の台詞にイラッとするため星マイナス。
あれさえなければ、ほわっとした気分のまま終わって良いのにな〜。一気に教訓的な感じになってしまってもったいない。大事なことだから2度なんだろうけど、せめて1度に……まあ0度でも充分大事なことは伝わると思います。
絵本もいろいろ出ていますが、黒井健さんの絵のものが、ふわっふわで上品かわいいのでおすすめです。 -
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カオスの中に一筋の芯、絶妙なバランス感




2026年1月30日現在16巻、各巻194ページ。ずっと連載を追っていますが、いよいよ連載が大詰めになってきたこのあたりでレビューです。
20巻以内での完結を「それくらいの長さが一番読みやすい」という理由で作者さんが目指しているので、だらっと続く心配もありませんし、気になっている方はいかがでしょう、そろそろ手を出してみませんか。
異世界転生に性転換をプラス。なかなかのカオスっぷりに勢いのいい笑いで、細かいところは吹っ飛ばして楽しめる(ただしかなりよく考えられている)感じです。「おっさんと元おっさんのラブコメ」なので、絶対BL許せないタイプだと合わないかもしれません……が、BLに興味はない、くらいでしたら、それを理由に避けてしまうのはもったいない気がします。
単なるコメディーではなく、コミカルな中にグッときたり、BLとかNLとかの枠では語り切れない気持ちのゆらぎが、絶妙なバランス。こちら、作者さんのお二人がご夫婦で、男女両方の目線が入っていることや恋愛と相棒との両方の感覚を体感しているというのが、この作品の屋台骨になっていると思います。
主役二人の転生前の関係性とかめちゃくちゃ良いし、その土台があるからこその転生後のカオスでコミカルな苦しみが良いし、変化にも説得力があるし、笑っちゃかわいそうなんだけど笑っちゃう。
12人の女神がそれぞれの勇者を召喚という設定で、召喚された各勇者がまたみんな良い!厨二素直なシュバ君も良いし、不憫不器用カワイイなずなちゃんと、宝塚系派手派手ライトニングさんが登場する6巻あたりからはぐぐっと面白くなりました。ちらっと見える転生前の話が合わさって、もうこんなん泣かされるだろうが……。外せないのは獅子井さん(12巻登場)。わかる、そのオープニングとエンディングの感じ!肩パッドと呪文詠唱!富士見ファ◯タジア全盛期を知っている世代にはたまらないカッコ良さです。
あと、ダークエルフのマーガレットさん(13巻登場)が、すっげーイイ女なので見て。
見 て 。
「愛の女神の呪い」……壮大な伏線なのか、はたまた特に裏は無いのか、と心の片隅で考えつつ、激アツ展開を楽しんでいます。
連載中につき、星評価およびレビュー内容は適宜変更。 -
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目指してはいけない希望の星




2026年1月16日169ページ。
この作者さんの屈託のない感じがけっこう好きです。
中でもこの全力で自虐ネタなこの作品が妙に好きで……けどこれに星5を付けてはいけない気がするw という星4つ。
画力の足りなさを正攻法の努力ではなく回避型でごまかしていこうという、『月刊少女野崎くん』の夢野咲子センセイの「背景描けない」エピソードが重なって見える……そして漫画を描いていたり描いたことのある人間にとっては、共感と安堵感で楽しく読め、ふと我に返って戒めともなる、なかなか味わい深い作品です。
自虐ではあるんだけども、卑下してもいない、「事実だから仕方ないよな〜」という曇りなき眼な印象で、ある意味まっすぐだったり真面目さだったりがあるのが好感度高い。
それにしても、今の若い方々は「素材」が豊富だしデジタルを使いこなしていてうらやましいですな〜。私の若い時分にはアナログしか選択肢は無かったし、コピペもそう気軽にできるものではなかったのう……ヨボヨボ。
そしてこの作者さん、「画力が低い」とは言いつつも、2026年現在まで着々と作品を発表し続けており、当然きっちり画力も上がっております。継続は力。しかもアニメ化作品まである。自分の画力が足りないな〜って思っている漫画描きには、ある意味希望の星な気がします(ただしここを目指してはいけない)。
画力だけ高くても、漫画って面白いわけじゃない……自分の画力を逆手にとったこの漫画、かなり面白かったです。
単行本発売後にも数話発表されており、pixivコミックで読めるのでぜひぜひ。 -
破天荒なエンタメの中に人生の気付きも




2026年1月16日お正月の無料読み企画で読みました。
ネタ元として有名な「カイジ」、ひとつの作品としてではなく、複数シリーズにわたって続けてるんですね。このシリーズ最初の13巻には4エピソード入り。あの有名通貨「ペリカ」までは入っていなかったので、そこは少し心残りです。その内読みたい。
悪役側が言ってることにも一理あるよな〜って思わされちゃうのが、けっこうリアル。現実でもこの「一理ある」感じで人を丸め込んで搾取する、というのは、かなりよくある事例だと思います。
そして主人公がクズいのも、どっちもどっち感がバランス良くって面白い。けど、主人公、かなりダメダメとは言え、根っこのお人好しさがなんか良い。なんだかんだで、最終的に他人を助ける方に動いちゃうっていう。
『限定ジャンケン』では仲間の裏切りを心底軽蔑し、『鉄骨渡り』では石田さんの勇気に涙し、『Eカード』では利根川さんの漢気に拍手……と、楽しませてもらいました。
基本的にキレイなものの方が好きなので星は4つ止まりですが、面白いのは確かです。
2026年1月現在、読み放題でこの4エピソードは全部読めます。
ネタ元としての『カイジ』初級認定ぐらいは、ここまで読めばもらえるんではないでしょうか。 -
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人を現実世界につなぎとめるもの




2026年1月2日1・2巻165、3・4巻149ページ。
かわいい絵柄に不思議な世界、そして哲学み。そんな作者さんのアイドルものってどんな?と思いながら読んだところ、思った以上に通常運転でした。歌って踊るアイドルの元祖はアメノウズメの命だろ……って考えていたので、作者さんと心でガッチリ握手です。
作中に出てくる歌詞の「がんばれ」に対する作者さんの思考がまた、わかるぅ〜〜〜ってなっているので、私もこのアイドル部を応援しつつアイドル部に応援されながら続きを追おうと思います。
「がんばれ」は安易に言うとひどい攻撃になる言葉ではあるけど、「がんばれ」としか言いようのない時も確かに存在するんですよね。
そこに入っている気持ちや信頼関係次第で、同じ4文字の発声が全く別の意味で相手に届く、言葉が単なる文字列ではないことが顕著にあらわれる、それが「がんばれ」なんじゃないかな……などと思いつつ、私もがんばっていきたいです。
連載中につき適宜改稿、とりあえずの星4。
顔が消えてる子が大きなリボンを付けているのは、ムーミン谷のニンニへのオマージュですかしらね。ニンニのエピソード、好きです。
……アイドル部の面々のネーミングが「さつまいも」なところも、なんか脱力感あって好きです。 -
それは生涯終わらぬ旅路の導きの鐘の音




2025年12月26日言わずと知れた未完成の名作、「最終稿」版。
この作品で今も自分の心の指標なのが「途上にあり求め続ける精神」です。
正解のない問題に「答えがない」と思考停止するのではなく、「それでも答えを求めて最善を進む努力をする」。
作中で交わされる、神さまについての問答がとてもとても印象的。
「ああ、そんなんでなしにたったひとりのほんとうのほんとうの神さまです。」というジョバンニの台詞に感じる、求めてもたどり着けないもどかしさや強い憧れ、自分はこの感覚と共に生きていきたいと思っています。
これは賢治自身の魂の核でもあると思っていて、法華経信仰が有名な著者ではありますが、この物語を読む限りでは「法華経そのもの」を頭から信じ込んでいたわけではないように思います。キリスト教的描写も出てきてかつそれを否定するのでもなく、また「ハレルヤ」をわざわざ「ハルレヤ」に訂正しているあたりに「キリスト教そのものを書いているのではない」という意識が見える。それらに考え方の違いへの寛容と既存の宗教にとらわれない「たったひとつのほんとう」への希求心を見ています。
けれども、カムパネルラに見えてジョバンニには見えない景色、「あなたと私は違う」という絶望、その違いがある限り「みんなのほんとうのさいわい」は実現不可能なのではないかという現実……。
それでもより良きひとつを求めて行動をするために、先に行ってしまった憧れそのものの存在の幻影を追っていく。それは生涯終わらない旅路で、カムパネルラはその名の通り、くじけそうな時に響いて、下を向いた顔をふと上げさせる、導きの鐘の音なのではないかと思うのです。
そして、その生涯終わらない、という点において、この作品が「未完成」であることがまた相乗効果を生んでいるようにも。
賢治自身、「ほんたうのさいはひ」を求めながら、心の内に結晶している原石を並べて星座を描くように、自身と、想定した読者(童話よりも少し年齢層の高い少年層)の道しるべとなるように、この物語を記していたように思います。妬んだりする醜い心も、他者に対してほんとうのさいわいを望む心も、ひとしく人の心として、銀河の中に明滅するように。
初期の長野まゆみさんの影響もあり、宮沢賢治作品は「旧字体」で読むのがより好みです。硬質と評される文体に画数の多い字体が合わさり、本来の輝きがあらわれます。
字数足りない〜! -
原作に忠実にして著者世界も存分な傑作




2025年12月26日パワープッシュになっていた機にレビュー。
『銀河鉄道の夜』との出会いは、国語の授業で途中まで観たアニメ映画でした。そこからずっと心の真ん中を占めて、今に至ります。
アニメ版は、少々の演出的改変はあれども、音楽から何から何まで、そして宮沢賢治本人へのオマージュ、宮沢賢治の作品宇宙を包括するような造りになっていて、本当に価値ある名作になっています。特にラストの一文が、『銀河鉄道の夜』という未完の作品の本質を示していて素晴らしい。
対して、アニメ版の元になっているとはいえ、こちらのますむら版は、原作に忠実。ますむら氏本人が宮沢賢治作品を深く愛して尊重していることが窺える、こちらも素晴らしい傑作です。
この、キャラクターを「ますむら世界の猫」としてえがいたのが大成功だったと思うんですよね。
原作を読んだ個々人の心の中に住むジョバンニとカムパネルラを破壊しない、ふわっとした中立性。また、全体の世界観も、ますむら世界はイーハトーヴという概念から派生したヨネザアドが基盤になっているため、無国籍感があります。これらの奥に見える「どの価値観にも倚らない」という意識こそが、『銀河鉄道の夜』という作品にとって必要な核心であり、それを目に見える形で示した本作品は、とてもとても価値があると思います。このますむら版に息づく意識無しにアニメ版の成功も語れないです。
また、初期形も併せて漫画化され収録されています。自分が若い頃は、この初期形を目にする機会が無かったため、ますむら版で初期形が見られたのは非常にありがたかったです。
……で、この場を借りて、最近私が得た知識を『銀河鉄道の夜』好きの皆様と共有したいんですが。
「アスパラガスの葉は!あの繊細ふわふわじゃなくて!!はかまと呼ばれてるあの三角形のことーー!!!」ナ、ナンダッテー!
ジョバンニがお店のウィンドウで眺めていた星座早見盤を飾っていた「アスパラガスの葉」、この漫画版でもふわふわで描かれていて、自分もあのふわふわが葉だと信じてたんですけど、なんと、三角の方なんですよ……。
宮沢賢治が理科教師であったこと、劇中に出てくる「三角標」との共通性、合わせて考えると賢治本人がイメージして書いたのは三角の方が正解ですね。なんでアスパラ……と思ってはいたんですよね……。
はい、ふわふわの方だと思っていた人、恥ずかしがらずに挙手&握手! -
ぎゃあああ〜〜!ぎゃんわいいいい〜〜!!




2025年12月26日ページをめくるごとに脳内で「かわいい」の叫びが止まらない!
ナイス友愛!(スタオベ)
タイトルはスラムダンクのあのメロディに乗って聞こえてきますね!
1巻155ページ。
かわいい〜!とにかくかわいい〜〜!!
桐山さんも南さんも、二人ともすっごくかわいいよ!てぃあらちゃんもかわいいよ!
他のみんなもかわいいよ!
テンションの高さもかわいいし、仲良くなりたいオタオタ感も、みんなみんなかわいいーーーー!!
かわいいと叫ぶたびにIQが下がってかわいいで埋め尽くされてHAPPY…………
ってな感じで、すごく平和にかわいいです。なんか勢いもすごいです。この朴訥な絵柄がまたかわいいです。
間に挟まれるキャラクタープロフィールもみっちり情報量多くてかわいいです。
かわいいしか言ってない気がしますが、なんだったらこんな長いレビュー書くより「かわいい」の4文字で終わらせていいんじゃないの?って思うくらいにかわいいです。
女の子同士で「かわいい!」って言いながら笑い合うのって、生命力上がりますよね。
真面目な話としては、子供の頃に奪われた「かわいい」を大人になってから取り戻している二人の様子が、すごくすごくかわいいです。ハウリング起こしそうな二人の共鳴っぷりがすっごくかわいくて元気が出ますね!
とりあえず、かわいいは魔法の呪文なので、積極的に唱えていきたいです。最近、小さなぬいぐるみとミニチュアのティーセットを買いました。かわいい!めっちゃかわいいーーー!!
勢いに乗って笑いながら読める、ちょっぴりしんみりしても秒で元気モードに切り替わる、「かわいい」満載のこの作品で、あなたもかわいいと叫びませんか。
「かわいい」は外面だけのことではなく、それぞれの「特別」によって湧き上がる魂。 -
クラッシュしないユートピアサークル




2025年12月26日153ページ。
サークルの姫、というと、勘違い系逆ハーレムとか同性への妬みとかが思い浮かんで、あまり良いイメージがないのですが、そういうのではなく大変に好ましい青春群像劇でした。
大学の漫画サークル、二人の「姫」を中心にした物語。
「姫」は二人ともガチの漫画描きで、互いの力量を評価しているのが好ましい。冒頭で、塩之崎さんが谷崎さんの漫画を読んだ時のシーンで「あっ、この子ガチじゃんw」と好感度が爆上がりして、購入を決めました。
姫二人以外にも、それぞれのキャラクターが「人との交流」をきっかけにして自然と変化していく様子が良くて、ああ、学生時代ってこういう感じが確かにあったよなぁ、と懐かしく眩しい思いがしました。会長がサークルを箱推ししているように、この作品も箱推し漫画ですね。
電子112ページで谷崎さんが塩さんにかけたあの言葉、そして本編ラストで会長が谷崎さんにかけたあの言葉、あれって創作をしている人間にとってこの上ない殺し文句ですよね〜。すごく良かったです。
2025年12月現在、読み放題に入っています。読みホ契約者はぜひご一読を! -
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心優しく誠実な猫飼い、鶴子ちゃんに幸あれ




2025年12月19日水曜の無料作品マラソン企画で1巻を読み、続きをじりじり読んでいます。
鶴子ちゃんがとても真面目な良い子で、もうほんと、幸あれと願うばかり。かなりしっかり自分を持っていて、あまり流されないところも好ましい。
冒頭、婚活でのお相手の男に多大なストレスを受けますが、そこを越えれば大丈夫。シェアハウスでの住人達とのやりとりや、猫飼いとしての誠実な日々、応援する気持ちで楽しく読んでいます。
特に、猫への愛と責任感があふれているのが良く、作品の味付けとしての猫ではなく、むしろ猫あってこその作品と言っても過言ではない。
シェアハウスは、美形男子の中に女子一人で良い人だらけという、現実だとあまり無さそうなシチュエーションではあるんですが、「偶然入ったシェアハウス」ではなく、「ちょっとスピリチュアルなオーナーによるスカウト制」という設定によって不自然さが減り平和な気分で読める基盤ができています。そこもお気に入りポイント。
冒頭の勘違い男を助走つけて殴りたいのはもちろんなんですが、私は鶴ちゃんの父親にも渾身の平手打ちをかましたい。鶴ちゃんの母親が悪いのはもちろんだけど、その母親への恨みや執着を鶴ちゃんにとっての呪いとして吐き出し続けたのは父親の罪。重病になった父親を介護し続けた鶴ちゃんは立派だったと思うけど、幼少期からの父親の言葉に縛られていた部分もあったのではないか。それを思うと、父親には「あの世から娘の幸せのために尽力して罪滅ぼししろよ……なんかこう、霊的パワーで幸運を持って来いよ……」と念を送らずにはいられない。
連載中につき適宜改稿予定。 -
わくわくモチーフ集




2025年12月19日228ページ。
同出版社の『愛蔵版 モチーフつなぎ50』(河合真弓)と、『新装版 かぎ針あみのモチーフ50』(雄鶏社の『モチーフつなぎ』の増補改訂版)の、再編集改訂版。
デザインは、河合真弓さん・岡本啓子さん・風工房さん、と、長年編み物をしているとよくお見かけする方々です。
円形モチーフ39点、四角モチーフ45点、その他16点。
白一色で編まれたモチーフ見本が掲載され、その後に各モチーフを使ったストールなどの作品が掲載されています。
モチーフ集の場合、作品は「掲載モチーフのいくつか」を使ったものが多いと思いますが、こちらは「掲載モチーフ全て」が作品に使われているのが良いです。また、作品は多色使いのものが多く、「実際につないだ時の雰囲気」「色を変えてカラフルにした時の雰囲気」がわかります。多色で編むのがお好きな方は、配色の参考になるところが多いのではないでしょうか。
作品の使用糸が品名ではなく、「極細」「合太」などの表示なので、掲載作品をそのまま編もうと思うと難しいかもしれません。永遠の初心者としては、使用糸は商品名で書いておいてほしいところです……が、この本が過去の本の再編集版であるため、仕方がないのかもしれません。廃番とかその他いろいろ事情があるのでしょう……。
本を参考にイメージをふくらませて自分なりの作品にするのを楽しめる方に向いています。
また、個人的には、風工房さんのデザインが3つしかなかったのにはダメージを受けましたが、掲載モチーフ自体が質量ともに満足なので、星は引きません。 -
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暮らしになじむかわいいレース編み




2025年12月19日75ページ。
レース編み初めての方に向けた小品集。
小さなドイリー5点、ポットホルダー1点、ジャグカバー1点、四角いドイリー3点、ピンクッション2点、モチーフつなぎの作品4点、エジング及びブレード8点、三角ショールとブローチとキャミソールワンピース各1点。
シンプルな中にかわいらしいデザイン。凝ってればいいってものじゃないという、実生活に取り入れやすい作品揃いだと思います。
私はだいぶレース編みに慣れているので少し物足りなさはあり星4つですが、これから編み物を始める方や、ナチュラルテイストを暮らしに取り入れたい方には、おすすめです。
新装版の改訂で、使用糸が商品名ではなくなっています。
甘撚りのレース糸……あなたエミーグラ◯デなのではなくって……?などと思いながら見ていました。
収録作品のボリュームに対して少しお値段が……と思うあなたは、お気に入りに入れて機が熟すのを待ちましょう。
私はたまたま検索で見かけて気に入ったドイリー1点の編み図のためだけに、機を逃さずに買いました。
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