そもそも論で、現代のサバイバルで最も慣れた軍人であっても4人程度でその日暮らしが精一杯。
「村を作る」とか「文明を発展させる」には、食料確保要員の他に人的資源が必要で、無人島や未開拓地域でサバイバル以上のことをするなら、最低でも20人
規模は必要とされている。
ーという正論パンチを、架空の物語にするのはナンセンスだが、全般に言えることは「サバイバル生活舐めすぎだろ」という感想。登山やキャンプを一度でもしたことがある人なら、こんな描写は非現実的すぎて受け入れれないし困惑する。
「全て現実に準拠しろ」とか言う気はさらさらないが、作品としての説得力が著しく欠如している。
現実と乖離した設定や展開をするなら、作者が『現実からどれぐらい乖離した展開にしているか』を把握していないと成り立たない。
この作品からは、そもそも作者が“現実”の認識が甘いというか見識が浅いというか、『どれくらい無理のある展開なのか』が認識できていない点が致命的。
極端な話、主人公が手から火球を出すのは現実的にはあり得ないが、『魔法』という解決策を用意することで、読者は「魔法があるから手から火球が出せるんだよね」と納得できる。
だが、この作者はそもそも「現実では手から火球は出せない」という認識がないせいで、作中で『魔法』のような読者の納得する解決策を用意しないまま、いきなり主人公が手から火球を出したりしてる様なもの。
現実と違うことをするなら、相応の解決策・納得案を用意し描写する必要があるし、そのためには作者が作品展開で、現実とどれだけ乖離しているかを把握してないと成立しない。
それから、現代人の転生要素は全く生かされてない。
今後活かされる展開があるのかも知れないが、12巻まで読んでほとんど死に設定。
これは個人的な見解だが、そもそも現代人の強みは文明の利器の仕組みや技術の知識であって、文明の基礎を築く力は現地人よりも劣るだろ。
例え話、もしも現代人が主人公の立場に置かれたら『よし、未開拓地域での0から村を作ろう!』よりも、『未開拓地域では自分の利点(現代知識)はほぼ役に立たないから、街にいるうちに蒸気機関車などのアイディアを人を使って実用化し、自身の有用性を示そう』でしょ。
【総評】
主人公(作者)がなにをしたいのかが終始理解できない。
もう少し見識を広めてから書いた方がいいと思う。
もっとみる▼