求めてた懐かしい味がします。霊感体質らしい山岸先生のホラー系短編集。
妙にリアルでソワッと寒くなる話が多く、かつて多感な頃の意識に刷り込まれた感覚を思い出します。「私の人形は良い人形」で眠れなくなりましたね。早くその辺りの作品もシーモアで
電子化して欲しいものです。
今作の中では、依存の末の子殺し「メディア」がじわじわ怖かった。教授のセリフの所で、モチーフにギリシャ悲劇を持ってきたの納得です。歳取ってからは生きてる人間の方が怖いなと思う様になってしまいました。
事故物件での実話「押し入れ」も印象的でした。あのちょっとした隙間に恐怖を感じた事のある方は沢山居るはず。意味の分からない現象がまた怖い。
いくつになっても面白い山岸シリーズ。たまに無性に読み返したくなるので、ちょっとずつ揃えてこうと思います。
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