このレビューはネタバレを含みます▼
小説の中でヒロインのステラではなく、脇役で死ぬ運命のデイナに転生してしまった主人公は元の世界に戻るために死ぬしかないのですが、ステラの相手であるアルケインに好かれるという思わぬ三角関係の展開に巻き込まれる物語です。
デイナは自らの役割を果たそうとするのですが、アルケインに優しくされればされるほど心が揺れてしまいます。彼はなんとかデイナを守ろうとしますが、彼女の意志も尊重したいと思ってます。そこに本来のヒロインであるステラが絡んでハラハラ・ドキドキで読者をぐいぐいストーリーに引き込んでゆきます。
小説と言う既に書かれていて登場人物の運命は変わらないはずが、自らの参加によってその人物の視点からだけじゃなく他の登場人物にも影響を与えてしまい、大きく物語が変容されてゆく様子が興味深かったです。
例えばステラにしてみれば、本来はアルケインと幸せになれるはずだったのに・・・とは、今のステラは全く知らないから思うことも出来ない。ただデイナとアルケインの恋に複雑な思いを抱くのみ・・・この小説の筋とコミックの筋とのギャップが実に微妙な感じで面白いです。