表題作の『すてきな瞳』(星5つ)はフルカラー4ページのあたたかメルヘン。立読みで丸ごと読めるのでぜひどうぞ。
以下、その他収録作。
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・『猫町スケッチ』猫の登場するショート連作(3篇)。一人暮らしを始めた女性の入居から部屋を
去るまで、ホームレスになりたての若者の一場面、少年と猫の夢での邂逅。
・『女の友情』こちらもショート連作(3篇)。ちょっとした女子の日常。
・『かぜひきとらちゃん』同著者『福袋』収録『あにまるふぁーむ』内の1篇。6コマ。
・『雪影』まだ女性が進学するのが難しかった時代。風邪をひいて寝ている雪の夜、文子が見たまぼろしと、思い出した「本当になりたかったもの」。星4つ。
・『金の馬車』人形劇クラブの仲良し女子二人。平凡な主人公と頭が良く人気者の友達、少しの劣等感とケンカと仲直りと。友達っていいな〜。星5つ。
・『夕暮れの時計』不思議な時計で見る、少女の過去と未来。童話的ショート。星5つ。
・『月夜の話』月夜に現れる「オチカ」という妖精が起こす、ささやかな魔法の奇跡。星5つ。
・『PIYO』ヒヨコに懐かれたウサギの、にぎやかコメディー。擬人化キャラ。
・『葎座』葎座という名の名画座が舞台の、怪奇ホラー(『福袋』にも収録)。星4つ。
・『地下鉄のフォール』地下鉄の線路に入り込んで迷子になった少女と、そこに隠れ住んでいた青年フォールとの出会いと別れの記憶。いつかは夢になって忘れてしまいそうだけれども。星5つ。
・『プラネタリウム』プラネタリウムでのファンタジックショート。星4つ。
・『永遠の友情』ショート。宇宙船の危機と、少年二人の友情(『福袋』にも収録)。星4つ。
・『ウルトラマンガ』ウルトラマンパロディの数コママンガ。『福袋』よりも収録作が少ないです。
・『何がジョーンに起こったか』モノクロ映画の時代から、科学者の発明によって現代に送り込まれた女優、ジョーン。過去との違いに戸惑いつつも、女優としての道を歩む強さのある姿が素敵。作家のディックとの出会いはあたたかい恋物語、かつての友人との再会のインパクトも良かった。そして何より印象的なのは「映画」というものに対してジョーンが語る言葉です。おそらくこれは、作者本人の「創作」に対しての姿勢そのものであって、この姿勢がある作者を私は好ましく思います。星5つ。
@サブスク
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