ちょっとちょっと〜!
感情のもつれや拗らせ。
なんとも今までにない感じのお話に出会えました。
設定もあまり読んだことない、展開もなんだか想定内なようで想定外な。
ボリュームもある作品なので、是非お時間ある時に堪能してほしい。
作品説明にあるようにお世話豆男孝己と睡眠障害を抱える幼馴染沙世のお話。
孝己の抱える心の問題がかなり難しい。
衝撃的出来事に対する自己完結や嫌悪感、そばに居てくれた沙世に対する感情。
刷り込みと言う言葉が出てくるが、はたしてどちらが刷り込まれているのだろう。
どちらが抱卵されているのだろう。
執着や依存。
真綿にくるんで大切に育てられているのは孝己なのか沙世なのか。
孵る(帰る)のを待つのは孝己か沙世か。
題名は2人の事を語っているのだろうか。
表紙や扉絵の沙世が印象的。
そういう事なのかな…と。
孝己の愛がとにかく好き。
育てて食べる(欲望)。
傷をつけた相手に嫉妬し、零れる涙一滴とて己のものであると沸々とした激情。
究極のむき出しの愛だろ?これは。
対して沙世。
孝己とはまた別のカタチをしている。
沙世の瞳の様に圧倒的に吸い込まれて自分のカタチがわからなくなるような。次の瞬間外側にいるような。
でも、間違いなく愛。
言葉や目線をとても大事に読み進めることがすごく楽しい。
読み解くのが面白いというか、読み手がそれぞれに答えを持てるような作品だと思います。
とってもお気に入り作品です。
一筋縄ではいかぬ作品を読みたい方は是非どうぞ!
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