このレビューはネタバレを含みます▼
これは凄い。とんでもない名作だった。α×αで、転変無し。冒頭がタイムズスクエアのニューイヤーキスから始まるので、アメリカのリーマンBLかと思ったら、庶民育ちのエリートディレクター攻め×英国貴族受けでした。
受けのカーライルがとんでもなく高貴だった…、地下鉄に乗るのが初めてでICカードを買うのにもたつき、みかねた攻めに女王即位50周年記念のICカードを貰うシーンがね…、(宝物にしよう…)と思うカーライルもかわいいし、攻めは普段使いのカードと別に記念カードを大事に財布に入れている庶民派で、とっておきを思いつきで渡したのかな…と想像すると、もう、この時点でだいぶ好きじゃん!と悶えます。高貴な受けのカーライルは、弟に「兄が笑ったことは数えるほどしかありません」と言わせるほど無表情がデフォで、社交界で生き抜くための彼なりの武装だと判明してくると、お祖父様に締め付けられた生い立ちに思いを馳せてしんみりしてしまう。
全編通してエロいシーンはとことんエロかった…、ちょっとこの尋常じゃないエロさを分かち合いたいので40話から45話までの「一夜」を読んでレビュー欄に戻ってきてほしい。というか長いな…!そりゃあ濃厚なはずだ。直前に、攻めの家族と食事するエピソードで、カーライルが誰とも交際経験がないことが明らかになり、その無垢さに攻めの姉が「なんでうちの弟なんかと…!」と驚きメロつくわけだけど、そんな経験の浅いカーライルを、潮を吹くまで追い詰めたアッシュ(攻め)は罪深い。尿と勘違いしてグズグズに泣くカーライルの姿に興奮して、よりひどく攻めるアッシュがヤバかったです…、その後にすれ違いが起こり、なんとエチシーンがないまま80話近くまで続きます。50話から関係がリセットされてアッシュが追いかけはじめると、貴族社会へ庶民が足を踏み入れる難しさがかかれつつ、伏線を回収してのお祖父様との対決、大団円まで疾走感のある読み応えでした。そして92話から96話…!とんでもないエロが待っています。ラットになったアッシュは、何度も来るな引き返せと警告するが聞き入れなかったカーライル酷い目に合います。理性がふっとんでいるので、欲に忠実なアッシュが、本当に容赦なくて、ノッティングされてグズグズに泣くカーライルに興奮を強めていくアルファ性全開のアッシュの三日間が堪能できます。まだ外伝が配信されるらしくて楽しみです。