今読めるこの世のBLの中で一番好きなんじゃないかというくらいUnder The Greenlightが大好きです。その作品が日本語で読める幸せ!KADOKAWAさん、版権取得に動いてくださって本当にありがとうございました。
私は受けのジンさんがはちゃめちゃに好きです。表面的には傍若無人で粗暴で高圧的なギャングの幹部なんだけれども、その実、見るものの心を打つ自己犠牲の精神、高潔さと優しさを隠しもっているこのキャラクターが持つ魅力にマシューと同じくらい取り憑かれてしまっています。
攻めのマシューもサイコパスみのある隠キャオタクかと思いきや、愛するジンさんの前では赤面の止まらない恋する純情青年で、拗ねたり嫉妬したり独占欲を見せたりと、そのかわいらしい一途なわんこっぷりには奔放なジンさんとの恋の成就を願わずにはいられません。
物語としても構成が素晴らしく、幾重にも重なったストーリーラインが物語の進行とともに徐々に明かされていきます。2人の背負ってきた過去や感情があきらかになるごとにラブロマンスとしての重さが増していき、衝撃を受けるほどです。
人生の清濁、人間の抱える闇と光、誰かを大切に思う気持ちと愛ゆえに傷つけてしまう業。受けのジンさんが裏社会の人間なこともあり、沢山の暗い側面が物語に出てきますが、主人公のふたりは信じられないほど肉体的にも精神的にもタフで健全です。すわ闇落ちかと思われたつらいエピソードの後には、必ず光り輝くような美しく開放的なエピソードが盛り込まれ、作者のエンターテイナーとしての手腕に唸らざるを得ません。
本当に面白い大傑作なので、日本語訳をきっかけに、ぜひとも多くの日本語BL読者にも広まって欲しいです。全力でおすすめできます。
本国で連載中の第二部は、物語の佳境に差し掛かっています。第二部の翻訳も日本語で読めると期待しても良いのでしょうか…?KADOKAWAさん、よろしくお願いします!