まだ王が存在し、軍が彼らを守っていた時代。イネスは師匠に代わってベルトン王国の王子、エンリケの肖像画を描いた。しかしそれから10年後に王室が衰退、失踪していた王子は反乱軍に追われる身となる。「命がかかっていると思えば、記憶も蘇るんじゃないか?」反乱軍の総司令官であり傲慢な態度の男、ナダン・ファルネーゼ。彼は唯一王子の顔を知っているという理由でイネスを監視下に置き、10年前の肖像画を再現させる。キャンバスが埋まると同時に、彼らの余白も狭まっていくが…
囚われた私は彼から逃れられない【タテヨミ】(17巻完結)