和風無常ブロマンス物語
戦国時代の片隅で、絆と、約束と、悲劇が咲く——
ときは戦国。播磨国のとある神社の禰宜（ねぎ）、丈部左門(はせべ さもん)は、ある日、ふとした縁から行き倒れていた旅の武士、赤穴宗右衛門(あかな そうえもん)を助ける。
腕は確かだが華道に迷いを持つ左門と、武士として乱世を生きることに迷う宗右衛門。
「丈部殿が切られた花に新たな命を与えた。俺にはそう見える」
2人は花を通して互いの心に触れ、距離を縮めていく。
しかし武士である宗右衛門は、病が癒えればまた主人の元に戻らざるを得ない。
「重陽の句には、帰ってきてくださいませんか？」
神社に残る左門と、出雲国へと帰る宗右衛門は、ひとつの約束を結ぶ——
だが2人の間に芽生えた小さな絆さえも、乱世の嵐が容赦なく散らしていくのだった——
※電子限定特典のカラーイラストは巻末に収録されています。
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