わたしは……だんな様の子を産むのだわ
「異能」を受け継ぐための結婚
美しく孤独な侯爵家当主・馨×ある能力を見込まれ嫁いだ下働き出身のたまき
下働きの出自ながら、とある能力を見込まれ美貌の侯爵・桐小路馨に十八歳で嫁いだたまき。結婚時の契約は侯爵夫人でありながら家事全般をこなし、跡継ぎを産むこと。なぜなら桐小路家は代々受け継がれる“人の未来を「継ぐ」”能力をもって確固たる財を築いてきたから。息が詰まるような屋敷暮らしの中、馨が時折見せる柔らかな眼差しに救われてもいる。そんなある日、馨がたまきに助力を求めてきて⋯。