《本作は同人誌となります》
いつまでも忘れられない、拙く未熟で愛おしい、思春期の思い出。
自分とは正反対な明るくハッキリとした性格の彼女に恋心を抱くまで、そう時間はかからなかった。
大人になった今でも、その片想いは続いている――― 生まれ育った島で漁業を営む“湊(みなと)”の元に、幼馴染の“カヤ”が帰ってきた。
都会へ行き結婚したカヤが島へ戻るのは、決まって旦那と喧嘩をした時だ。 その度にカヤへの捨てられない恋慕と現在進行形で失恋をしている現実に、後ろ暗い気持ちを抱かずにはいられなかった。
湊の気を知ってか知らずか、カヤは島に居た頃と変わらない幼馴染の距離感で他愛の無い思い出話に浸っていたのだが……。
ある話題に触れた途端これまでになく気を落としたカヤの様子を見て、 この帰郷が今までとは違う重みを持っていることに気が付いてしまう。
(どうしてカヤを傷つけるような奴を選んだんだ。なんで俺じゃないんだ。)
告白できなかった後悔がいつまでも捨てられない湊に、傷つき涙を流しながら求めるカヤに逆らう事など到底できない。
それが彼女の憂さ晴らしだとわかっていても…。 湊は長年燻ぶり続けた想いをぶつけるように、二人の思春期の思い出が詰まった部屋でカヤを抱いた。
再会してからより想いが強くなっていく半面、許されない関係であることも意識してしまう湊。
恋焦がれたカヤの身体は熱く柔らかく、普段は見せないしおらしい姿に更に愛しさが募ってゆく。
複雑な心境を心の内にかかえて…、カヤと過ごした島での数日間の物語。
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