結婚、出産、友達づきあい、休日の過ごし方——
みんなが当たり前にしている「普通」が私にはうらやましかった。
家族のために、自分をがまんしてきた人へ、「きょうだい児」の人生を描いたコミックエッセイ。
透子は、大学時代からつきあっている婚約者・洸平がいる。
しかし、両家顔合わせの日、洸平の母から反対に遭い、婚約破棄となってしまう。
その理由は、透子の妹・桃乃にあった。
知的障害があり、トイレ・食事・入浴など、 生活のすべてに介助を必要な妹・桃乃、妹の世話を一手に担う母、療育に無関心な父。
本作は、社会福祉士資格をもち、福祉の現場での実務経験を持つ著者が、きょうだい児当事者への取材をもとに構成したセミフィクション作品です。
きょうだい児とは
障害がある兄弟姉妹がいる人を指す言葉で、障害がある兄弟姉妹とともに育てられながら、一方でケアを期待されるなど、障害がある兄弟姉妹や親との関係、また家庭外の社会での経験など、さまざまな場面でその影響を受けることが多いと言われています。