「ねぇ、僕とキスしたい?」吐息が触れて、視線が絡む。
甘く乱暴な舌にすべてを奪われて…忘れていたあの日の熱に、また溺れていく――綾名(あやめ)が会社で再会したのは5年前に別れた恋人・寿明(ひさや)だった。寿明の強引な誘いで飲みに行くも、緊張から酔いつぶれてしまった綾名はそのまま彼の家にお泊りすることに。「今、誰かと付き合ってるの?」「昨日の続き、しようよ」あの日別れを切り出そうとしたのはサヤくんなのに……優しく熱い瞳で「おねがい」されたら、ずるいよ……私の好きなものも、感じるところも、どうして全部覚えてるの――?