気丈でたくましく、男性なんて、と思ってるキャロラインというヒロインの、鎧の奥にある愛情と、ご褒美があるわけでもない遺言を守る律儀さとを通じて見せる、ある種の気性の真っ直ぐさが、要所に描かれ、読み手は引き付けられる。
それにしても、なぜ、と
いうヒロインの生き方への、破天荒というか、若さゆえ?の、突っ走り、時代を考えても、スケール大きすぎる。それをカッコいいと思えばいいのだろうが、かなり大胆無謀な気がする。慎重な私は、奔放な水浴びシーンも驚いた。かつその場面も、いかにも、キャラをよく写し出している。
賊に狙われ聖杯を運ぶミセス・ホプキンスと、彼女をガードしてくれる大佐との出会いから愛の芽生えまで。父娘の信頼回復と、謎だらけなヒロインの波乱万丈だったこれまでの断片的な説明、そして、大佐の愛したガブリエラを巡る身内の揉め事が引き起こした悲劇など、語ることは沢山有ったのに、二巻物の第一巻であるこの一冊に、巧く収まっている。
「華麗なるデビュー」一巻二巻のシリーズ。
大佐も別な意味で真っ直ぐ。
そう、そんなにガブリエラを好きだったのね、と、感心、というか、ヒロインとの関係構築への壁となってくれる期待感が物語展開の面白さの1つとして二巻目へ引き継がれる。
相変わらずきちんと描かれた絵で、確かなひとコマひとコマを楽しめるが、私は紙で見て、そして、スマホの画面と見比べて、スマホで見る方が、この作品の登場人物達のサイズ感の収まりが良いと感じた。
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